「卒業作品」を形に

木村輝一

株式会社タダノ
国内営業企画部高所グループ付マネジャー
木村 輝一さん

1979年入社。雇用延長で現職にあり、今は開発と営業のパイプ役として技術的なサポートをしている。 入社後、開発部で大型クレーンの開発を10年程手掛ける。製品開発では、94年に橋梁足場の設営撤去での使用を主とするスーパーデッキを開発する。 「1トンの荷重を載せることができ、三次元に水平・垂直移動できるデッキ型高所作業車で、当時世界でも類をみない非常に特徴のある製品でした」 これが高所作業車との関わりの始まりだったという。 兵庫県南部地震の震災復興でのスーパーデッキの現場投入を契機に「あの機械は何だ」と口コミで広がり、今ではデッキ型高所作業車の代名詞となった。  開発時代の卒業作品となったBT|400は2002年だった。「結果的に自分が開発したものを自分で営業することになった。嫁ぎ先で苦労させたくない。評価してくれる方にお売りしたかった」という。 長寿命化修繕計画策定が2007年から始まり、橋梁点検市場が一気に形成される。「その頃、橋梁点検車といっても防音壁工事に使われるのがほとんど」だった状況が一変する。この頃から建設コンサルタントとの付き合いが密となる。「コンサルタントをサポートした図面で色々なことが動き出した。世の中のためになっているのだなと意識しました」という。 2年前にコンサル向けに橋梁点検車の講習会を開催。延べ400人が参加。受講者から目から鱗の話があったと評価された。 今は頭の中にある新製品を「タダノでの卒業作品」として形にしたいと語る。広島大学工学部卒。高松市出身の62歳。 (永島誠司)

愛知製鋼