チーム

河合 浩史大日コンサルタント株式会社
コンサルタント事業部 橋梁構造部 橋梁構造第3グループ長
河合 浩史

私は、2000年に名古屋工業大学を卒業し、岐阜県に本社がある大日コンサルタントに入社しました。 岐阜で生まれ岐阜がとても好きな私は、ほとんど岐阜で生きています。大学では、河川水工研究室に所属し多自然型護岸の研究をしましたが、入社後は橋梁構造部に配属されました。 入社1年目は、新しい橋の設計が主な仕事でしたが、2年目にはメンテナンスの仕事が多くなり、橋梁点検の仕事に従事することになりました。メンテナンスの仕事が多くなったのは、岐阜県で橋梁点検マニュアルが策定され、定期点検が開始されたためです。 当時は、過去に定期点検が実施されていなかったため、1年で多くの橋梁を点検する必要があり、夜も休日も調書をまとめていたことを記憶しています。入社2年目でしたが、とにかく品質を保ちながら工程を守るため、チームで動けるよう上司が管理していたことを後になり理解しました。 その後、新設設計を少し学び、約4年間、施工管理業務に従事しました。施工管理の現場では、橋梁を中心に積算・発注から現場管理、工事の完成など、発注者の仕事内容や現場でモノを作る難しさ、楽しさを学びました。この期間も、一人ではなく、工事区(チーム)で路線の開通に向けて日夜頑張っていたことを記憶しています。 16年に施工管理の現場から会社に戻ってから現在まで、点検、補修、補強のメンテナンス一筋です。最近では、メンテナンスの中でも、計画系の業務に多く従事させていただいています。道路施設の点検マニュアルの策定や更新、長寿命化修繕計画の策定、撤去集約の検討、新技術の活用検討など、これまでの現場経験や補修補強設計などの経験がないとできないものばかりです。 これらの仕事は、自分の技術力だけでは解決が困難なものもありますが、諸先輩方、後輩、発注者や大学の先生などと協働しながら仕事を続けられています。最近は社外の方たちともチームで土木の仕事をすることが多いです。 私は、岐阜大学が運営する社会基盤メンテナンスエキスパートの資格を8年前に取得しました。この資格取得者が所属する「MEの会」は、現在600人を超えています。この会でも、チーム力がとても重要だということを学んでいます。 土木構造物は、今後さらに高齢化が進みます。橋梁は特に重要構造物で一部老朽化が目立ちます。また、今後、技術者不足や予算不足もさらに進むことから、これら橋梁の安全安心をいかにして守るかがとても重要です。 そんな時こそ、これまで多くの方たちと知り合えたことが私の技術者としての財産であると思っています。今後、どんな困難な状況であっても、自らが学び直しを続けていれば人と繋がることができ、一人では乗り越えられない壁もチームで乗り越えられると信じています。 次号は岐阜メンテナンスエキスパート養成講座の講師として共に人材育成に尽力されている、国土交通省中部地方整備局中部道路メンテナンスセンターの山田光希様にバトンをお繋ぎします。

愛知製鋼