有限会社西川塗装店
工事管理部
石原久美子さん
千葉県内のアーチ橋塗装塗替え工事で、現場代理人として現場事務所に常駐し、「現場の作業員が作業しやすい環境を整えることが重要な仕事」と考え、工程管理や安全面を考慮した施工管理に加え、女性ならではの心配りで、清掃や衛生管理、雑用など幅広い業務にあたっている。 現場は構造上の関係で、足場に常設階段やはしごが設置されていないため、橋梁アーチ部の最上段まで自力でよじ登ることもあり、「夏場は非常に暑く、体力的に厳しいところもあるが、楽しくやりがいのある仕事ができる喜びを感じている」と話す。 入社は2014年6月。それまでは、歯科機械関係の営業や生命保険の外交員、派遣社員で事務の仕事などに就いていたが、当時まだ幼かった娘を「シングルマザーとしてしっかり育てていく」ために、正社員として継続的に働ける事務の仕事を探していた時、自宅から比較的近く、希望する事務の仕事を募集していた西川塗装店に縁あって入社することができた。 総務部では一般事務のほか、工事関係の書類を作成する営業事務、経理の補助などを兼任していたが、次第に塗料の材料など専門的な分野や現場での仕事に関心を抱き、総務と、常駐義務が無い現場管理業務を兼任しながら勉強を続け、2級建築施工管理技士(主任技術者)の資格を取得した。 工事管理部への異動と希望していた現場での任務、資格取得における全面的なバックアップや柔軟な勤務形態の容認など、一児の母としての働き方を尊重し、受け入れてくれた会社への感謝の気持ちは計り知れない。 「現場で経験を積みながら、新しい資格取得にもチャレンジし、より一層仕事の幅を広げていきたい」と、次へのステップアップにも前向きだ。 しかし、やはり生活の中心には娘の存在がある。「小学4年生になっても、正解の見えない手探りの子育て」は、まだしばらく続きそうだ。 (本間俊行)