吾唯知足2018年1月11日号掲載分

吾唯知足今年4月、瀬戸大橋(児島・坂出間)が開通30周年を迎える▼同大橋は、本州四国連絡橋事業三ルートの基幹ルートであるだけでなくわが国橋梁市場の牽引、中心的役割を果たしてきた▼海峡部の90%以上が橋梁、高架橋であり、橋梁記者約45年の中でも最も頻繁に取材に向かった地でもある▼長大吊橋も本州側に下津井瀬戸大橋、四国側には南北備讃瀬戸大橋が計画されていたほか、櫃石島と岩黒島には長大カンチレバートラス橋などが計画されていた。取材に足繁く通ううち、橋梁記者45年の橋梁ジャーナリスト稼業の中でも大きな情報が飛び込んできた。「吊橋以外の橋の形式が変更になるかもしれない」と。さらにアンテナを広げると「どうやらフレキシブルな形式を検討しているのではないか」という▼早速、「橋梁形式を変更か」と特ダネ記事となった。すると懇意の重工技術者から呼出しがあった。発注者は「確かに変更を検討しているが、ちょっと出るのが早い」と言っている、と。その後、施主の技術首脳からやんわり注意があったことは言うまでもない▼これを契機にカンチレバートラスの岩黒島橋と櫃石島橋が所謂双子の斜張橋に変更となったことは、本紙ファン(読者)は皆承知の通りだ。その後全国でのスレンダーな斜張橋ブームのきっかけともなったことは、いうまでもない。

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