吾唯知足2018日10月1日号掲載分

吾唯知足
敬老の日を契機にまとまったわが国人口の高齢・老齢化は、団塊の世代が一気にその区分領域に達したこともあり、その情勢を一気に押上げたようだ▼今は政府も声高に、「人生100年」時代と謳っているが、数十年前は人生50年が一般的だった。橋梁も耐用年数50年だったが、昨今は「耐用年数100年」目標、が当前だし、そう明言しないと関係者は納得しない。それにしても平成最後の年は豪雨、大洪水など改めて自然への畏怖の念を強くした、と思う▼が、世界の橋梁関係者を震撼させたのはイタリア北部の幹線道路の高架橋(1967年、全長1・2㌔)が200㍍にわたり崩落、落橋した事故だ。建設後約50年しか経過しておらず、世界の橋梁技術者が「橋齢50年」と云えば皆、思い当たることが山ほどあるからだ▼同橋の落橋原因には塩害説もあり、早くから補強・補修の必要性を指摘されていたという。それが事実なら保全管理の手抜り説も免れない。弱小管理者は、どこも「予算なし」「技術者なし」が一般的だ▼小紙前号によれば、わが国道路施設の点検実施率は橋梁80%、トンネル71%と17年度時点で、ほぼ計画通りの進捗までスピードアップしており、心強い。一層、戒めて、進めてもらいたいたいものだ。

愛知製鋼