東京2020オリンピック・パラリンピックが決まった時、諸外国からの観光客への「おもてなし」のひとつとして角界に是非、人肌脱いでもらったらと小欄で書いた▼例えば、成田空港の税関出口付近などで、純白の化粧まわしを絞めた「横綱」やカラフルで豪華な化粧まわしを絞めた「大銀杏の力士」が整列する光景は精悍そのものだろう▼日本人横綱、稀勢の里の早すぎる引退は、本人の「一片の悔いもない」という言葉とうらはらに一抹の寂しさを感じざるを得ない▼唯一人の日本人横綱に寄せられる期待は想像を絶する重圧だったはず、横綱昇進後、思うような相撲が取れなかったことを思うと、むしろ大関のまま彼らしい相撲を取らせてあげたかったし、多くの相撲ファンもそれを見たかっただろう▼一方、新興のPCメーカーが中堅ゼネコンをM&Aなどで吸収し、弊紙調べの種目別、分野別でのランキングの常連に入ると予想され、一時は大変な勢いだった中堅ゼネコンが昨年、破産したことは記憶に新しい▼五輪施設の建設や東日本震災でも活躍しており、横綱引退以上に寂しい限りだった▼新進気鋭の、有望株の弱点を上げるとすれば、白まわし(新弟子のけいこまわし)時代の基礎づくりの不足だったかもしれない。