「老後2000万円騒動」で、かつての橋梁設計、取材の逸話を思い出してしまった▼少子高齢化が進んで、「100年は大丈夫だ」という年金制度を設計したのはいつか、だ。例えば、1960年頃だとすると、当時の公開平均寿命は65歳前後だった▼しかし、最新の公開平均寿命(17年)は男性81・09歳、女性87・26歳で過去最高とされ、さらに伸び続ける予測。こうした観点も制度の再設計が必要な所以だ▼橋梁にも予備設計、概略設計、詳細設計など多種多様の設計があり複雑化している。実力のある設計会社(コンサル)なら、一括で統括処理できるはずだが細切れ的に発注される意図は何か、と以前に記事にして発注先と喧々諤々の騒動になった苦い思い出があるのでおいておく▼しかし、「地元コンサルの能力は、発注者の能力」と言われ、高尚、高邁な先進性に長ける監理技術者が出るほど橋梁市場は進化し専門化している。老後2000万円の報告書を調査・作成したワーキンググループの実績、実力はいかに▼年金制度の再設計も複雑化しているとはいえ、AI→ITなどを駆使すればとも。決して、長生きそのものは悪いことではないので、あれこれ心配しなくても済む制度設計に頼りたいものだ。ああ。