持病の影響とはいえ、青天の霹靂よろしく安倍棟梁(前首相)は突然辞任した。後継の菅義偉首相による党役員人事と組閣が完了し、トランプ米国大統領やモリソン豪首相と相次いで電話会談するなど、順調な滑り出しだ▼一方で、米国との対立が激化する隣国・中国は日本の政情をどう見ているのか。混迷の国際情勢下、安全保障と経済の舵取りをどうとるのか、菅首相の対中戦略次第だ▼旧労働大臣や国土庁長官を歴任した原健三郎氏に、国土庁長官時代(1980年7月~81年11月)にインタビューしたことを今も鮮明に記憶している。石油危機により事業凍結を経た本四プロジェクトについて、開通までの見通しを力強く語ってくれた▼政治家には硬軟の使い分けが必要だ。外相当時、韓国に「無礼だ」と言って話を遮った河野太郎元外相は、最近の政治家にはない気骨があふれている。新ポスト(行政改革・規制改革相)でも、同様の所作や言動が期待される。案外、地方創生、再生でも叡智をもちあわせているのではないか▼かつてコンクリートを罪悪視した政権が誕生した。それ以来〝地方創生〟が叫ばれているが、一向に地方の活力はみられない。地域の地場企業こそ国土強靱化の原動力として育てていく必要があるのではないか。