政府による観光支援事業「Go To トラベル」が外出気分を大いに盛り上げている▼まさに「人の動き」こそ活力の源、新型コロナ感染対策など当然、課題は多いが、いつまでも巣ごもり状態でいられる訳はないのだ▼この半年以上、観光業だけでなく多くの産業は「人の動き」に支えられており、これを絶たれることの切実さを実感したことと思う▼一方、この巣ごもり状態に災害が覆いかぶさることで、これまで盤石と思われていた社会インフラが実は危機的状況にあることも白日に晒されている▼「令和2年7月豪雨」では、とりわけ九州において7月3日頃から、多数の線状降水帯が形成され、長期にわたる豪雨が九州各地で記録的な雨量となり、避難できない「社会的弱者」が犠牲になる痛ましい事態も発生した▼地球規模での気象変動の中では、単に台風シーズンに河川の氾濫に注意喚起する防災では追い付かないことを痛感させられた▼「秋の長雨」が終わり「秋晴れ」を愉しむ季節に「Go To トラベル」は決して間違っていないが、今ここにある危機を引き起こす、様々な「変動」の時代には、それにふさわしい、社会インフラの再構築を国土強靱化と共に、早急に進めることも必要だろう。