吾唯知足2020年11月1日号掲載分

吾唯知足歴史的使命の始まり、と言ったら言い過ぎか。いやなに、わが新棟梁(菅義偉首相)の初外遊が、従来の慣例、踏襲をを避けて米国や欧州の大国でなく、ASEANのベトナムとインドネシアとなったからだ▼両国はインド、太平洋の南シナ海、東シナ海のお膝元で、中国が近年、人工島の造成、軍事施設を建設している。両国首脳とは「自由で開かれたインド、太平洋の再確認、認識を一つにした共有成果」をあげている。さて、中国はどんな威嚇、甘言、摺手をかけてくるのか▼ここは同盟国の米国との外交を軸にASEANとの関係を緊密にしておきたいところだ▼以前、小欄で日本にはスマートシティ建設の構想があると書いたが、インフラ輸出戦略を標榜する以上、自国内で環境に配慮した省エネ都市の実現は不可欠▼それでこそスマートシティ構想の早期の具体化が望まれよう▼米中の狭間において、ASEANをめぐる綱引きにリーダーシップを発揮できるはず▼東南アジア諸国は観光だけでなく、工業においても発展が目覚ましい。橋梁関係会社のベトナムとの関係も深く、実修生で来る彼らは勤勉だ。昭和50年頃訪問したインド洋のスリランカ(コロンボ)は、まだ土色の黄色が目立っていたのが印象的だったが、今はどうか、と。

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