２０１９年の訪日外国人は３１８８万２０４９人（日本政府観光局公表データ）、２０１３年に１０３６万３９０４人を記録し、１千万の大台に乗ってから７年で約３倍に増加、今年の東京オリンピック・パラリンピックも見据えて、さらなる増加が見込まれ、「観光立国」の面目躍如・・・だったはずだが▼昨年の終わる頃には武漢における「新型コロナ」流行が囁かれ始めていたものの、おそらく、多くの人は現在の状況を予測していなかっただろうし、仮に責任ある人が今日ある状況を予測して、対策をとっていたとしたら、その予測は「外れた」ことになり、大げさな対策への非難が澎湃と起きたかもしれない▼とはいえ本来、対策とは「予測」が外れたことをむしろ貨にすべきもののはず。今年の「令和２年７月豪雨」には、線状降水帯が発生し局所的な集中豪雨をもたらしているが、こうした危険は、早期に予測し、早期に勧告し、そして早期に避難した人が「外れたな」と笑って喜ぶ姿で、締めくくるのを良しとすべし▼冬を前にコロナの新規感染者が増加しつつある現状から、まずは今後を早期に「予測」すること、同時に必ず来る災害に備えるための国土強靱化の推進。いずれも置き去りにできない待ったなしの状況が続く。
吾唯知足2020年11月11日号掲載分
