自然災害国・日本としては、中国の(情報公開・発信)後手は痛かった。武漢発の新型肺炎のことだ。世界に広がりをみせるなか、中国への渡航禁止や湖北省滞在歴のある外国人の入国禁止など水際作戦も展開、夏の東京五輪の開催とも絡んで、今後の行方が注目される▼公表によれば、首都圏直下型地震や南海トラフ地震の発生確率はかなり高く、これに伴う大津波は、高さ3㍍以上とされるが東海、九州など太平洋側沿岸地域はどのくらいの現実感を抱いて対応策と心構えをもちあわせているのか、と▼記者は阪神大震災時に、阪神甲子園口から神戸・三宮駅まで倒壊した阪神高速道路沿いを歩いてショックを受けた。東日本大震災の時も、福島第一原発のある浪江町から仙台東道路(震災時に盛土が防潮堤の役割を果たした)の亘理IC、仙台石巻を経由して国道45号線を大津波を受け瓦礫が高く重なる大船渡、陸前高田、南三陸町、宮古、釜石、大迫町、山田町を経て、久慈、八戸まで取材した▼自治体担当者は、被災地には何度も足を運んだと思うが、リスクコミュニケーションは、前向きに積極的に取り組んでいきたいものだ。感染症対策をはじめ、隣接自治体が連携して災害対応を図れば、対策の強靱化は、言わずもがなだ。