吾唯知足2020年4月1日号掲載分

東京オリンピック・パラリンピックの延期が決まった。吾唯知足子は、仕事柄（記者稼業）のせいか、猜疑心を持つことも少なくない性分だ。前回の東京五輪（１９６４年）は、戦後復興を遂げた日本を知ってもらう、それを世界に発信するという大目標があったが、今回の五輪は一体、何を全世界に発信することができるのか、そもそもよくわからなかった▼あげくは、ＩＯＣに一方的に五輪の中核であるマラソンを札幌開催という、東京との分離開催させられ、ほぼ目玉のない東京五輪だった（おもてなし以外には）。だから、小欄では、返上論は出ないのか、とまで書いた▼それ以上に深刻になったのは、中国・武漢を発生源とする新型コロナウイルス感染症が、世界各地に蔓延感染拡大し、五輪開催国の日本も例外ない新型コロナの感染地で、今防疫に躍起となっていることは世界周知のとおりだ▼来年夏ごろとも言われている大会後には、「さすが日本、東京だった」という声（評価）を全世界に発信できるかどうか、延期マネジメントの活用次第だ。これが、うまく機能、実現できれば、「東京２０２０」は大成功といえよう▼国民も新型コロナに打ち勝つべく、専門家のガイドラインを順守していきたいものだ。