吾唯知足2020年6月1日号掲載分

吾唯知足小紙の取材で掲載される事業マップは、皆地域の未来図の俯瞰図そのものだ▼現代まで、読み継がれる奈良時代の古書、古文書の類は千数百年前の世相や事柄のことだ。ものによっては石碑にさえなって、往時のことを伝える貴重な記録誌だ▼小紙5月1日号には、本間俊行記者による千葉国道の坂井康一所長へのインタビュー記事が掲載されており興味深く読んだ。東京と首都圏の社会・経済・文化・流通の二枚看板となっている房総半島の都市部と地方の連携を担う圏央道や主要国道の整備推進の未来(俯瞰)図などが推察でき、拡幅計画などとも合わせ、令和時代の石碑ならぬ令和の「紙碑(紙のいしずえ)」として残るはずだ。5月11日号で、NEXCO東日本所沢管理事務所の山田浩稔所長への山田由乃記者によるインタビュー記事も「紙碑」として刻まれるはずだ▼勿論、本特集号掲載の各整備局の記事は、令和時代の橋梁の「紙碑」として刻まれるはずだ。北関東から南上総までの、寸分の狂いもない輻輳する道路網を整備推進する房総関連の二つの記事を読み合わせると、まるで現代版本居宣長が彷彿するのは記者だけか、と。網の目のような事業マップを目にしたら、彼の宣長もなんというか、想像してしまう。

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