コロナウイルス感染拡大の防疫と必死に闘ったわが国の棟梁安倍首相が、持病の治療のため突然辞任を発表した。五輪を1年延期するため、自らIOCのトップにかけ合い、開催に張り切っていた最中、今回の辞任は周囲の関係者にとって、まさに「青天の霹靂」だ▼記者が、「青天の霹靂」に出会うのは2度目のことだ。1度目は、石油危機で本四プロジェクトが総需要抑制策のシンボルにさらされ、「明日はいよいよ、大鳴門橋の起工式が行われる」という直前の段取りまで進み、徳島県庁では起工式典後の食事や記念品の準備などが行われていた。ところが正午に突然、「明日の起工式は延期」というテレビのニュースが流れ、四国4県では「青天の霹靂」という言葉が駆け巡った▼文字通り、急激に雷が激しく鳴った塩梅だった。尤も、ようやく台風シーズンが始まったのか、9号に続き特別警戒警報クラスの10号が連続して発生し、大雨や高潮、落雷が列島各地を襲っている▼ポスト安倍の後継‖自民党総裁は、よほど難しい政局が生まれない限り、道筋ははっきりしている。次期棟梁が元の生活様式を取り戻す槌音を高らかに鳴らし、安倍元棟梁に五輪のスターターなどのサプライズなど、労いの心遣いがあってもよかろう。