吾唯知足2021年3月1日号掲載分

吾唯知足さて、米国のバイデン政権は、どんな経済政策を展開するのか。トランプ政権は米国ファーストで、取引主義を持ち出し同盟国から不評を買っていた。バイデン大統領は、G7首脳オンライン会議で「アメリカは戻ってきた」と強調し、世界の経済関係者は安堵しているはずだ▼日本も五輪を契機に、コロナ禍で疲弊した経済、特に地方経済の再生と復活を果たし、地域連携の絆と活力の回復を願いたい▼日本のGDPは世界経済に占める割合を、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われた時期に比べ、著しく低下させているが、だからと言って国土軸の基本政策をおろそかにすることはできまい▼阪神淡路大震災後に、橋梁・高速道路などインフラを強靱化する重要性が認識されたが、その後の東日本大震災では、それに加えて「災害レジリエンス」が広く言われている▼レジリエンス(復元力、回復力)は心理学用語で「困難に当たっても、しなやかに適応して生き抜く」を意味するが、コロナ禍ではひとしおに、この言葉が重要に思える▼緊急事態宣言を出しても新型コロナ感染増加に苦しむ首都圏だが、一方でいち早く地方都市が感染を抑制させつつある現状、各地の地域内経済活性化のテコ入れが必要に思える。

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