桜の開花宣言が届き、まん延防止等重点措置が解除された。わが国も本格的な出口戦略に向けて動き出すはずだ▼4月は施主の出先機関でも異動があり、新任の所長が着任する。昭和40年代当時、企業の担当者たちは最寄りの国鉄やバスなどを利用し、挨拶に出向いた▼さる所長は記者に、「首都圏から立派な大会社の部長などが挨拶に来るが、地元の中小、地場企業の社長の方が心強く、手応えがある。これからの架橋、現場工事に彼らの協力が必要だ」と話した。彼らは、お茶出しから掃除、電話番まで何でもこなす。そうした地元企業の支えが、大きな橋づくりには欠かせないという話をヒントに、本紙の「橋に生きる顔」(現「はしわたし」)の企画枠がスタートした▼東日本大震災から11年が経過した3月16日の夜、福島沖で最大震度6強の地震が発生し大きな傷跡を残した▼新幹線や高速道路が被災し、大動脈が破断した現実は重く受け止めなければならない。特に東北新幹線の福島~白石蔵王間で損傷し鉄筋がむき出しになった橋脚は、阪神大震災で倒壊したピルツ橋脚を彷彿とさせた▼自然災害とコロナウイルスのリバウンドには気を引き締めつつ、沈滞した経済活動や日常を取り戻す新年度のスタートとなってほしい。