過去2年の桜の季節は自粛ムードで冷え込んだが、「今年こそは」と、観光地に繰り出す人の数も増え、大方にとっては満足な連休だったのではあるまいか▼桜は北海道の大雪山系から釧路で最後になると言われるから、沖縄から北上した桜前線も間もなく終わりを迎えるだろう▼一方、世界に目を向ければ、ロシアの軍事侵攻に対するウクライナの抵抗戦争は出口の見えない状況、専門家の分析でも長期化が必至という▼世界経済にも大きな影を落としつつあり、とりわけロシア、ウクライナとも農産物の輸出国、両国の農産物に頼るアフリカなどでは深刻な飢餓が噂される▼日本においてもロシアからの木材が滞り住宅建築など影響が出ている分野もあり、今後エネルギーや食糧の自給率が低い日本こそ相当な影響を覚悟しておくべきだ▼また一時期は新型コロナ感染症対策の成功国であった中国がゼロコロナ政策の貫徹に固執するあまりに現実とかけ離れた厳しい政策を実施し、明らかな経済停滞を招いており、これまでこの国の経済成長に頼って来た世界経済にとっては極めて不安定要因だ▼大型連休に桜の名残りを惜しむ国に生まれた幸せをかみしめつつも、この同じ空の下には国を追われ他国に身を寄せる人々がいることを憂う。