吾唯知足2022年7月1日号掲載分

　「ポストコロナ時代に向けて日本経済をどう取り戻していくのか？」▼しばらく前までは〝ポストコロナ〟が日本経済における大きな課題だったが、今後はウクライナ危機とともに新たに到来した「急激な円安、物価上昇」という難題に取り組んでいかねばならない▼というのも、先月半ばに東京外国為替市場で円相場が１ドル‖１３５円台に急落し、１９９８年１０月以来約２４年ぶりの円安に陥った。世界的なインフレも追い打ちをかけているという▼インフレといえばスリランカがデフォルト（債務不履行）状態に陥り、独立以来最悪の経済危機に直面しているらしい。記者は海部内閣の時期（１９８９年８月～翌年２月）にモルディブの取材・観光のためスリランカ一の大都市・コロンボに立ち寄ったことがある。当時はまだ発展途上で、土色一色の印象が強く残った▼同国はその後、２００９年の内戦終結から急速に発展を遂げたが、積み重なる対外債務により昨年はイランに対し石油の輸入代金を特産品の紅茶で支払うという大胆な施策を講じたと聞く▼日本もアベノミクスの検証のもと「新しい資本主義」を目指すべきだ。そうそうたる経済人が多いはずなのになぜ議論しないのか。大胆な施策展開が期待される。