吾唯知足2023年3月1日号掲載分

吾唯知足 国内で新型コロナウイルスの感染が確認されてから3年が経過した。政府は新型コロナ感染症の法的な位置付けをインフルエンザ並みに引き下げることを決定し、5月から実施される。いよいよ「ウィズコロナ」による社会・経済再生へと舵が切られた▼振り返ればこの3年間は病床不足や医者不足など医療崩壊寸前の状況や、三密回避のための企業活動・市民生活の抑制といった未曽有の状況に直面した。しかし、「リスク」に直面したからこそ創出できた「機会」もあった。病床確保のためのしくみづくりや、国産ワクチン開発への取り組み、在宅ワークの導入などもリスクに直面したからこそ生み出された機会と言えよう▼わが橋梁業界も笹子トンネルの事故を契機に橋梁点検とメンテナンスへと舵が切られた。橋梁点検は今年で二巡目の後半を迎えるが、微細なリスクや要点検個所が発見されるたびに進化した技術や素材などが提案され、さらなる機会の創出へとつながっている▼本紙に登場する事務所長や保全部長が取り組む施策にも、数限りないリスクや懸案、課題が潜んでいることだろう。読者が行間からそれらを推し量り、技術や材料開発の新たな機会へとつなげられるよう、新年度も詳細な取材の積み上げを心掛けたい。

愛知製鋼