吾唯知足2023年3月21日号掲載分

　あくまで有力な説だそうだが、チーズケーキの原点は、紀元前７７６年の古代ギリシャオリンピックで参加選手らに供された『トリヨン』という食べ物がそれではないかとのこと▼チーズのほかラードやミルク、卵などをイチジクの葉に包み茹でたもので、はちみつをかけて食べたそう、なるほど甘味が強そうで、運動量の多い時にはありがたそうだ▼仮にこのトリヨンがチーズケーキの原型として、今でいうチーズケーキとして広く認知されるまでには実に多くの職人の手により様々に練り上げられたはず▼時に失敗作として、時に別のものとして完成し、まさに幾星霜の改良を経て今我々が目にし口にするチーズケーキがあるに違いないのだ▼日本の長大橋技術は本四架橋事業に始まり、今にいたるもその技術を引き継ぎ改良し、多くの長大橋が建設されている▼計画段階では潮流の激しさなど厳しい条件を前に「日本にこんな長大橋が創れるのか」と疑問視された瀬戸大橋は来月１０日に開通３５周年を迎える▼国産ジェットは飛ばず、日の丸ロケットは打ち上がらず・・・、しかし見よ、たった３５年前には多くの困難に果敢に挑戦し、ついに一つの技術の集大成を誕生させたこと、それは今も揺ぎ無い技術の金字塔のはず。