第211回通常国会が6月21日に閉会、嵐を予感させた解散風はいつの間にか立ち消えた▼解散権をちらつかせながら岸田首相、さすがにその状況ではないと判断したようだ▼デジタル化の一丁目一番地であるマイナンバーカードの問題、あるいは首相周辺でちらつく醜聞もあっては伝家の宝刀のきらめきも霞むのが当然だ▼国会、すなわち立法府の仕事を、政治家も国民も忘れていまいか。法律を作り、そして改正、または廃止する、これが仕事であるのは言を俟たず▼例えば、2016年12月のこと、いわゆる「建設職人基本法」が公布され、建設現場で働く多くの人の安全確保、処遇改善に大きな一歩を踏み出すことができた▼18年6月には公共工事品質確保法の一部が改正され、公布されている。災害時の緊急対応を充実し働き方改革にも対応、何より工事前の調査・設計についても品質確保が重要であるとし、生産性の向上にも大きく貢献する立法だった▼国土強靱化に向けた法整備など、まずは本分を全うすることを期待したいものだが、それにしても海外の各国から見て日本人の「選挙好き」は驚きらしい▼国政選挙、地方選挙、統一選挙、年中選挙をやって、選挙特番に手に汗握る一方、「投票嫌い」の国民性も実に興味深い…とか。