暑さ対策として打ち水が2000年代に入って改めて見直され、夏の風物詩として全国で定着して久しいが、この7月の暑さにはさすがに辟易した▼世界気象機関(WMO)は、今年の7月は世界の月間平均気温が過去最高であることが確実になったと発表▼これを受け、7月27日、国連のグテーレス事務総長は、記者会見を開き、地球は「温暖化」ではなく、「沸騰化の時代」に入ったと警告した▼中国のウイグル自治区トルファンでは52・2度、イタリアのサルデーニャ島は48・2度、チュニジアの首都チュニスでは49度、確かに聞くだけで頭の中が沸騰しそうだ▼日本でも7月29日、気象庁の観測で、全国847地点で真夏日(30度以上)を記録しており、この数字は今年の7月中で最も多い▼8月に入ると、多少は暑さも例年に倣うかと思いきや、5日には福島県伊達市梁川でフェーン現象の影響も相まって、ついに全国で今年初めて40・0度を観測している▼現在、人類が直面する気候変動を食い止めるには原因となる温室効果ガスの排出削減が不可欠だが、これには様々な困難が伴うのも事実▼とはいえ先進20か国だけで世界の温暖化ガスの80%を輩出していると指摘されてしまっては、日本も他人事ではない。