吾唯知足2024年10月1日号掲載分

吾唯知足 先月20日深夜から、能登半島一帯で発生した記録的な大雨。26日時点の報道では死者数11人、行方不明者は6人に上る▼年初の地震災害では国交省や自衛隊、自治体が連携、そして民間業者が一丸となり、直後に寸断された道路網を素早い対応で復旧させた▼一方で住民生活の回復の遅れが指摘されてきた。例えば各市町では域内の水道管の復旧はできたものの、そこから住宅に引き込むことが出来ず断水状態のままという家屋が多数、残されていた▼さまざまな理由から珠洲市では150人以上、輪島市では80人以上が仮設住宅にすら入れず避難所生活を余儀なくされていた。その最中の水害だ▼さらに残念なのは国道249号中屋トンネル付近での土砂崩れの発生だ。このトンネルは地震で天井が崩落、長らく通行止めだったが、懸命の復旧作業がようやく実り、9月25日には制限付きながら開通を予定していた▼トンネル内の見学会も開かれており、地元からは生活道路を取り戻せることへの喜びの声が上がっていたのだ▼10人が救助されたが、2人の方が亡くなられ、そのうちの一人はトンネル工事に従事していた作業員▼地元の期待に応えようと頑張っていた方が、まさにその現場で命を落とす。胸を抉られる思いだ。

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