先月上旬頃に発生した米カリフォルニア州南部での森林火災は瞬く間に被害を拡大させ、一時は4郡で3件の大規模森林火災となった。同月11日には州知事が非常事態宣言を出すまでに至り、焼失面積は10万エーカー(約405平方キロメートル)を遥かに超えたという▼アメリカでは山火事のシーズンが6~9月、さらに10~4月の年2回、まさに1年中と言っていいほどだ。6月中旬にニューメキシコ州で約8000人が避難する事態となり、7月に入るとカリフォルニア州北部でも発生し、火災は州都サクラメントに迫る勢いだった▼翻ってわが国だが、林野庁の資料では平成30年~令和4年の5年間の平均で年間1292件の山火事が発生し、焼失面積は657ヘクタール(約1623エーカー)に及ぶ。アメリカに比べれば微々たるものだが、国土が狭い分、燃え広がれば人家への影響は甚大だ▼石破総理は就任直後に早速、能登半島を訪れ、しっかりした対応を表明、特に今後は一時避難した被災者の生活についても先進国並みとすることを明言、その手腕に期待が高まっている▼日本の災害は地震、台風ばかりではない。様々な災害に一元的かつ柔軟に対応するためにも彼が言う「防災省」の創設は早急に実現していただきたい。