不倫口止め訴訟はじめ、さまざまな案件で起訴され、支持者集会では差別的発言を繰り返す。そんな『型破り』なトランプ次期アメリカ大統領だが、経済政策ではハリス氏を上回る支持を取り続け、ここでは終始、追い風に乗っていた▼何しろ分かりやすい。輸入品に10%か20%、中国製品には60%の関税をかけると言い、国内の製造業の復活を高らかに謳う▼10%の基礎的関税をかければ税収は24年の840億ドルから26年には3倍増の3500億ドルとなるらしい。素晴らしい増収だ。勿論、この税を負担するのはアメリカの消費者だが▼IMFの資料ではアメリカのインフレ率は20年から上昇し、22年の7・99%を頂点に下方に転じ23年4・13%、24年は2・99%と推計される。トランプ大統領誕生の来年には物価高もかなりおさまっていると思われる。さすが次期大統領、とはいい過ぎか▼先のわが国の衆議院総選挙でも、野党で最も追い風を受けた政党が打ち出していたのが、分かりやすい若年層の手どりアップだった▼この11日に発足した第二次石破内閣は、1週間をまたずに支持率が5㌽低下。逆風に前途は多難だが、総理には、風に吹かれて舞い上がるような政策ではなく足元をしっかりと固めるような政策を望みたい。