14日、土木学会は、首都直下型地震が発生した場合、その経済損失を約1001兆円と推定したと公表した▼2018年にも同様の推定をし、その時は778兆円と算出。これも十分に衝撃的な数字だが、今回はさらに厳しい数字だ▼内閣府の公表資料では東日本大震災の社会資本、住宅、民間企業施設等の経済被害を約16・9兆円とした。阪神・淡路大震災は9・6兆円。いずれも凄まじい被害だが、首都直下型の被害は桁違いと推定されるわけだ▼東北出身の記者は東日本大震災の際、状況を見計らった後、津波被害各地を取材して回った▼三陸沿岸道路も、部分開通するたびに車を走らせたものだが、その『復興道路』が仙台~八戸間を全線開通するまで10年余りを要している▼そして、今年元日に発生した能登半島地震だ。未だ復興の道筋には程遠いことに暗澹たる思いを抱くと共に、災害は時も場所も、そして人も選ばないことを改めて認識させられた▼2020年1月時点で30年以内にマグニチュード7程度の地震が首都直下で発生する確率は約70%。土木学会の提言はこうも続く。これから21兆円を投資し様々なインフラに対策すれば、経済損失額を1001兆の約4割、369兆円を減らせると。もう待ったなしだ。