先月24日は関東・東海を中心に真夏日が各所で続出、34・1度を記録した群馬県の桐生市が全国1位の暑さ。同県ではほかに3つの市が全国上位5位内に入る。もはや夏の到来を思わせる▼世界に目を転じると4月末頃のカンボジアは国内各所で43度を記録、1854年以来の猛暑とも言われ、多くの学校が休校となった▼フィリピンでは既に3月から猛暑が続き5月中旬頃には最高気温が連日36度を超え、さらに例年に比べて雨が降らず、日照りが続いた。同国の農業省によれば5月下旬時点で1月以降の農業の損失額は日本円で170億円にも達するという▼一方、4月中旬から記録的な大雨が続く中国南部の広東省、中国では長江に次ぐ流域面積を誇る珠江なども増水し、11万人が避難、死者も出ている▼こうした広域的には少雨と多雨が同時に発生するのが太平洋赤道地域の海面水温が上昇するエルニーニョ現象の特徴の一つ▼気象庁が出すエルニーニョ監視速報によれば、昨年春から続くエルニーニョもこの3月、4月と平常に戻りつつあるとのこと▼季節外れの真夏日に速くもクーラーをつけた。ただしこの先、気象変動がそれでおさまらないのも明らかなこと。日常の平穏にあればこそ、備えがあって然るべき。