吾唯知足2024年7月11日号掲載分

　７日、東京都知事選の投票が行われ、その夕刻の開票速報と同時に結果は大方の知るところとなった。『首都決戦』によって旧に復した『新しい日常』は何事もなく動き出している▼さて、今年５月に、長らく続いたエルニーニョ現象の終息が確認される一方で、この夏にはラニーニャの発生も予測され、地球規模の異常気象はとどまるところを知らないようだ▼６月下旬にカリブ海東部で発生したハリケーン「ベリル」は急激に勢力を増し、月を改めた１日、最強のカテゴリー５（中心の瞬間風速は７０㍍超）にまでに成長する▼このクラスのハリケーンは、例年ならば９月になって発生するもので、この時期に発生するのは、まさに統計史上初めてのことという▼これも、カリブ海一帯の海水温が例年より２度程度高くなっているためらしい▼それだけで、広範囲にわたり、とてつもない被害をもたらすハリケーンが生まれてしまうのだ▼首都決戦を二日後に控えた５日、３５度という今年初の猛暑日を記録した東京だったが▼厳しい暑さにもかかわらず冷水を浴びせられたように寒々とした気分になっているのも事実、それこそ『史上』初、５６人（！）の立候補者によって争われた『民主主義の祭典』への違和感とも言うべきか。