橋梁業界が待ちに待ったプロジェクトがスタートする。神戸港に架かる世界最大級の4主塔斜張橋の設計業務が、橋梁メーカーで構成するJⅤにより行われることが昨年末に決定した。新年の幕明けを華々しく飾った▼東・西の2工区を横河ブリッジとIHIインフラシステムを筆頭とした2JⅤが施工。主要鋼橋メーカーのほとんどが参画する。詳細設計では風洞実験も予定されており、高度な橋梁技術への挑戦に期待が膨らむ▼一方で、懸念されるのが「最後のビッグプロジェクト」と臆測されるこの事業の次の計画だ。関門海峡を渡海する長大橋を含む「下関北九州道路」や、島原・天草・長島架橋が連なる「九州西岸軸構想プロジェクト」など、構想はあるものの事業化までの道のりは険しい▼実現には多くの〝声〟が必要だ。10年前に沖縄で取材した「西原BPの事業化に向けた住民総決起大会」では地元首長はじめ商工関係者や一般市民が大勢集まり気勢を挙げた。同BPは3年前に事業化を果たし、現在は詳細設計が進められている。現地着手もじきに行われるだろう▼次の整備事業へ技術がつながるよう、事業化を求める声が大きなものになることを願い、業界を構成する一員として報道面で尽くしていきたい。