4Dセンサー株式会社
代表取締役
森本 吉春さん
2009年に大学の定年退職に伴い同年7月に一社モアレ研究所を起業し、代表理事に就任。実用化のための基礎研究を行った後、研究開発のめどが立ち、12年2月にこれらの装置を具体的に実用化するための4Dセンサー株式会社を起業、代表取締役会長に就任した。
同社の業務は高速・高精度な形状・変形計測法の研究開発と実用化、開発製品の製造、販売を行い、氏は主として研究開発に携わる。画像計測に関する研究開発や開発した技術の実用化により、社会に貢献を行い、大学などにて開発された技術をより有効活用していく方針だ。
橋梁関係では、大学に在籍していた15年ほど前に、河川に杭を立て、変位計を取り付けるたわみ計測の実験などを行った。時間がかかり、安全面で不安な面もあったが、現在では大学で開発したモアレサンプリングカメラなどを用いた各種計測法により、変位計測について簡易で安全に画像処理を行えるようになったと自負しているとした。起業後、助成金や共同研究や企業とのコンサルを通じて、橋梁への適用を行っており、これまで開発した、振動物体の形状や変形の分布を約2000コマ/秒の高速で計測する技術や、亀裂の隙間の変化を1㍃の精度で計測する技術について「世界一の性能だと考えている。橋梁の老朽化の検査や延命化の有効な手段として、これの普及を進めたい」と述べた。
氏は起業後、業務を今まで全う出来たのは多くの方の支援のおかげであり、大変運が良かったと語り、「年齢的にも存分に活躍できる年限は若い人より少ない。残された時間で自分の能力を最大限引き出せるようにしていく」と話した。
現在、健康を保つため、ウォーキングやジムでの運動を考えている。 (下田竜太郎)