国土交通省八代復興事務所は、令和2年7月豪雨で被災した「球磨川橋梁」の応急復旧ならびに本復旧を進める。 流失前の沖鶴橋は橋長179・4メートルのPC4径間単純ポステンT桁橋で、1983年に竣工。架橋位置は球磨川の曲線区間の下流に位置し、上流側に支川が合流している。A1橋台側に流心があり、A2橋台側に砂州が形成されている。流失の状況は、上部構造は全径間(桁橋)が流失、一方で下部構造は全て残存。被災原因は、周辺の痕跡からの推測として、被災時の水位は路面より上まで上昇しており、大きな流体力が上下部構造に作用したこと、支承部に耐荷力を超過する力が作用したことによるとみられている。 応急復旧橋は設置しておらず、旧橋の桁撤去および残下部工P1、P2、P3の撤去を2020年12月~22年3月間で進めている。 流失前の大瀬橋は橋長100メートルのPC単純ポステンT桁橋+鋼単純トラス橋+PC単純ポステンT桁橋の3径間の橋梁で、1984年に竣工。架橋位置は球磨川の曲線区間に位置し、上流側に支川が合流している。A1橋台側に流心がある。流失の状況は、上部構造は全径間(トラス桁橋、桁橋)が流失、一方で下部構造はすべて残存。被災原因は、沖鶴橋と同様とみられている。 応急復旧橋は設置しておらず、旧橋撤去を2020年9月~22年3月間で進めている。 流出前の西瀬橋は橋長174メートルの鋼4径間単純ワーレントラス橋で、1967年に竣工。架橋位置は球磨川の曲線区間に 位置し、A2橋台側に流心があり、A1橋台側に砂州が形成されている。流失の状況は、上部構造は流水部の1径間(トラス桁橋)が流失、一方で下部構造は全て残存。 被災原因は沖鶴橋と同様の理由に加えて、P2~P3間は流心部であり、相対的に流速が速い個所であったことによるとみられている。 応急復旧橋には九州技術事務所が保有している組立式ワーレントラス橋を、2020年7月~10月で架設。