禅即行動

枝元 勝哉

川田工業株式会社
鋼構造事業部橋梁企画部長
枝元 勝哉さん

入社年度は1987年。信州大学大学院工学研究科修了。 13年に橋梁企画室長に。18年には新設の開発室も統括する現部署の部長に。橋梁新設、保全工事を問わず、客先のニーズに対して価値ある提案をしていく。 「新技術が次々と誕生する現在、顧客への付加価値を高めるために技術開発の加速が必要」と考え開発室を立ち上げた。部門間や会社間を横断する効率の良い開発体制にシフトする。 初年度は補修工事の省力化に向け異業種と連携した技術開発に取り組んだ。そこで培ったノウハウは新設工事にもフィードバックしていく。社内では工事部隊と協力して新たな架設機材の開発なども行っている。 印象に残る工事は首都高速湾岸線のB131工区JV。横浜ベイブリッジの大黒ふ頭側に続く3径間連続鋼トラス橋の架設工事。入社半年目にして他社の叩き上げの現場職員の下に新人として付き、高力ボルトの軸力管理を任された。一日数千本を締める高力ボルトの抜取り検査を職人と二人、トルクレンチで確認。汗と油にまみれ昼から夜まで検査を続けた。「広背筋が鍛えられました」と笑う。 最近はIT技術を活用し、市民の方たちが橋の製作架設に関わる機会を増やし、橋梁への理解を深められたらと考えている。仕事で心掛けるのは「禅即行動」。やるのか、やらない方がいいかなどと考えていると動けなくなる。面倒だなという気持ちが起こる前にまず動く。 休日は下町散策で身体と頭をリフレッシュする。旅先で初めて出会う人に「土地の美味しいものや珍しいものを教えてもらう発見と驚きがあります」。 広島県大竹市出身の56歳。(永島誠司)

愛知製鋼