株式会社橋梁コンサルタント
東日本支社 技術部
徳永 雅子
幼少の頃、祖父の会社の仕事場には設計技師だった祖父が、図面を引く姿があった。仕事に没頭する祖父の手が流れるように動き、紙面には様々なボルトやナットの造形が描き出されていく。ものづくりや技術者への憧れはこの頃に芽生えたものかもしれないと思うそうだ。父親もまた電力会社のエンジニアであることも、自然と自らの将来をそこに思い描いたようだ。 高校、大学とも建築学科だったが、より深く学ぶうちに意匠を重視するビル建築よりも、社会インフラ全般に関わることが出来る土木に興味が移る。 大学時代、インターンとして橋梁関連のコンサルタント会社で働いたことも橋梁を志す決意を固めさせた。 2018年4月に入社。 社会問題化する構造物の老朽化問題。その最前線の点検調査業務に携わり2年が過ぎようとしている。 初年度、愛知県内を中心に国道23号にある43橋を協力会社のベテランと共に2か月で点検して回ったことがある。 県道上の跨道部などは夜間規制をかけた上で、桁下や橋脚部などを点検しなければならない。外観だけではわからない不具合も多い。 「チームを組むベテラン技術者達は経験に裏打ちされた職人的な目で、私には見えないものを見抜いていきます」 技術者の父からアドバイスされたことがある。仕事の話をしていたある時のこと、何かに引っ掛かったのだろう、静かに父が言った。「協力会社の技術者には、自社の先輩・上司以上に気を遣った方がいいね」 最も身近な先輩からの言葉は今も心に刻みつけている。 橋梁設計なども今後の目標だが、今は点検業務に全力を傾けており、昨年には橋梁点検士の資格も取得した。 趣味は写真。ダムなど大型構造物に加え、人々の生活を感じさせる、ごみなどを被写体とする。名古屋市出身。(川村淳一)