橋梁の高齢化以上にシビア、喫緊の課題となっているわが国人口の高齢化と無縁でない「がん」に向き合う現在の日本に朗報である2018年度ノーベル生理学・医学賞を受賞した本庶佑京大名誉教授の功績はがんの免疫療法の研究に弾みがつき、期待が高まる▼が、こうした分野での「ポスト本庶」は決して明るくないのだというのは至極残念だし、なんとも寂しい限りだ▼ズバリ、欧米に比し金(研究費、開発費)の逼迫、不足である。翻って橋梁市場でも、調査・研究があって計画が実行に移される。かつては橋梁市場なども公共事業費は目の敵の時期もあったが、近年は、国土強靱化などの大号令を受け、維持・修繕では台所事情の厳しい地方自治体を支援するため、国交省が橋梁などの定期点検が19年度に2巡目に入り、「大規模修繕・更新補助を拡大し、地方自治体の道路老朽化対策を手厚く支援していく方針を打ち出しているのは心強い▼これにより、各自治体は「独自の仕組み」を作っていけるはずだ。市町村が無理なく、持続可能なやり方を行うための組織、体制などをつくつていけるのではないか、と▼補修で橋梁台帳を手に思案に暮れる技術者の顔と光景は容易に想像できるし、わが国の橋梁史の厚さでもある。