先ずは、今年も本紙のご愛読を賜りますようお願い申し上げます。未曽有のコロナ禍とともに迎える新年、もはや社会はコロナ禍以前に戻らないことは頭でわかっているものの、それでも少しでも、経済の基調が回復し、我々の生活にも『新たな日常』が定着することを望むものだ▼昨年を振り返れば台風や集中豪雨による橋梁の流出、落橋が相次ぎ、まさかというような被災状況はコロナ禍と合わせれば、土俵から押し出される寸前、徳俵に足が乗ったかのような気さえしたものだ▼自然災害ばかりではない、山口県上関大橋の段差事故発生事例は、我が国橋梁技術の、輝かしい歴史の見直しにつながるかもしれない深刻な事態ではないか▼なんにせよ全橋点検が一巡しており、上関大橋もその関門をクリアした橋梁であったはずなのだから。コロナで重症化した患者の『トリアージ』について口にした自治体首長を真似る訳ではないが、点検次第では橋梁にもトリアージなるものが必要なのかと、いずれにせよ、ぞっとしない考え方であり、暗い気分になる▼安全・安心、命が第一、と強調される昨今、少し手荒な事を書いたが、今年の本紙の意気込みとご理解いただきたい。今年はどんな橋梁の進化や叡知が本紙の紙碑に刻まれるのか。