▼政府の目論見なら、2月7日は「緊急事態宣言」が解除されるはずだったが、残念ながら期待通りには進まなかった▼昨年秋口頃までは「COVID19」を例年、流行るインフルエンザと同程度に見る向きも多くいたが、年末にかけての感染拡大の後には一部を除けば、さすがにそうした声も聞かれなくなった▼新型コロナウイルスは変異が発生し易く、その流行は波を描くように増減を繰り返し、しつこくなかなか終わらないと予想されている上、対策であるワクチン接種がどうなるかも不透明では、根拠のない希望的な言論が形成されるのも致し方がない▼吾唯知足子は、その記者生活の最も脂がのった頃に阪神淡路大震災の被災地を取材し、被災直後の甲子園から神戸三宮間で、まさにその直前まで生活していたはずの住居が、わずか1mの高さで折り重なる光景を見て息をのんだ▼そしてそれは、16年を経て、国道6号沿いに立ち呆然と目撃した、人も建物も街も、何もかもが津波にさらわれた後の瓦礫の山の光景に重なることになる▼二つの大震災だけではない、日本至る所が様々な災害に見舞われてきた▼そしてその度に我々は1歩先を見据えて不屈に立ち上がってきたはず。次の宣言解除まで気を緩めずに生活していきたい。