吾唯知足2021年3月21日号掲載分

吾唯知足東日本大震災から10年の時が過ぎた。地震発生当時、記者はビルの高層階で身体を揺れに任せていたが、その後、東北地方の北東部沿岸地域が大津波に見舞われ、未曽有の被害がもたらされることもその津波が福島第一原子力発電所の事故を誘発し立ち入り禁止区域の住民が帰宅困難になることも予想だにしなかった▼記者が現地に向かえたのは東北道の通行が再開した後だった。福島県の南相馬市から国道6号線を経由して宮城県に入り、仙台東ICから女川町と南三陸町をまわり、岩手県の陸前高田市、大船渡市、釜石市、宮古市、久慈市、洋野町を経由して青森県の八戸市まで、三陸沿岸道の荒れ果てた光景を目に焼き付けた▼当時の映像が流れるとまだつらいが、橋梁業界の奮闘もあり復興道路や復興支援道路の整備区間が次々と開通して着実に復興は進む。一方で、新たな危機として新型コロナの対策が求められる▼東京五輪開催を目前に、感染力が強く致死率が高いとされる英国型などの変異株の感染も拡がりつつある。ワクチンの有効性の低下も懸念され、感染経路を断つことが急務。橋梁現場でもコロナ責任者を置くなどして水際対策をとっていると聞くが、検査体制の厳格化なども必要になってくるかもしれない。

愛知製鋼