これまで日本は、G7の中でも、社会基盤の源泉となるインフラ整備で先進国の役割を果たしていたと言ってもいいだろう▼小紙直近号にも、土木学会が「開発途上国におけるインフラ技術の輸出」として、パキスタンへの輸出例を紹介した記事があり、家田仁会長は「土木分野で素晴らしい仕事をした日本人の名前を残したい」と継続意欲を述べている▼本四プロジェクトが始まった昭和40年代、アフリカ・ザイールのマタディ橋では、本四橋を担当した技術者が派遣された。その後も韓国仁川国際空港連絡橋をはじめ、トルコや香港、タイの長大橋など、世界各地でお家芸の技術を発揮し注目を集めた。日本政府は先に、東南アジア諸国のスマートシティ支援構想も明らかにしている▼一方で新型コロナ対策では大きく遅れをとっており、日本のワクチン接種率G7中で最下位に低迷、このままでは東京五輪開催までに生活が元通りとなる希望的観測も、変異型ウイルスの感染増で非常に心もとない▼聖火リレーのドタバタ劇を見せつけられ、一時は盛り上がった五輪の機運も徐々に下がりつつある今、苦節年を経てついにマスターズを制した松山英樹プロに倣って、まずは、「日本人の限界を突破する」の気概が必要では。