大型連休前、緊急事態宣言が発令された時、COVID19蔓延防止に効果的とされる「人流抑制」は、新しい時代の国語と捉えたが、「遊園地に無観客開催を要請」には100年先を行っているようで、理解が追いつかなかった▼果たして、そのゴールデンウィークが明けた5月7日、感染拡大は止まらず、4都府県に発令されていた緊急事態宣言は延長が決定し、その後もさらに複数の自治体が追加され延長も繰り返されている▼もはやオリンピックをのんびりと待つ雰囲気ではなくなったものの、5月9日には国立競技場で陸上競技のテスト大会が開かれており、当然無観客、選手たちが力走する映像に心中で拍手するも、彼らの背後にガランとした観客席が映り込むと奇妙な非現実感を覚えてしまうのだ▼大規模ワクチン接種会場が各地に設置されるなど国、自治体はワクチン接種を急ピッチで進めているが、これがオリンピック開催までにどれだけ進むか、そして感染拡大を止め、医療崩壊を防ぐことが出来るのか、まだ不透明だ▼現時点ではオリンピックは無観客開催につき進むようだが、それがオリンピック憲章第一章に銘記される、スポーツを通じた連帯や平和の実現につながるのか、これもまた不透明だ。