東京オリンピック・パラリンピックは、冬季五輪のスキージャンプに例えれば、大きく飛び上がってゴールの着地を目指している状態だ。それでも、今なお、各地では、ここへきても、パブリックビューイング(PV)の中止やオリパラへの非難、中止論、行事中止説などが沸き起こっている▼日本の責任者である菅義偉首相は、英国のコーンウォールで開催された主要7か国首脳会議(G7)の首脳宣言に、東京オリンピック・パラリンピックの開催への支持が盛り込まれたことで、賛意を得た格好にはなったのだが▼まさか、IOCといえども、スキージャンプコースで踏み切って飛び跳ねた選手を引き下ろすことは、できまい。「何のための五輪か」はっきり言えばよい。「これを契機に、観光立国になることだ」「何より復興庁も成し遂げられなかった東日本大震災の復興の証にするものだ」と▼インバウンドが激減している。競技などで来ている関係者の中には、「せめて、土曜日の半日だけでも、鎌倉や浅草に行ってみたい」と来日外国人の希望が漏れ伝わってくる。今更だが、水際作戦は万全だ、と言われるが、よもや、穴だらけではあるまいから、くれぐれも「抗原検査」でなく、「PCR検査」を厳格に徹底しないと。