株式会社綜合技術コンサルタント
東京支社 構造Ⅰ部 主幹
山本 晃弘さん
地元で工務店を経営する父親のもとには、豪雨などで被害が発生する度に、地元自治体などから復旧工事の依頼が来る。どんな仕事でも断らず、おっとり刀で現場に駆けつけ、地元の人々に感謝される父親を誇らしく見ていた。モノづくりの楽しさを肌で感じた幼少期を経て、建設の道を志し、大学で土木工学を学ぶ。 1999年、綜合技術コンサルタントに入社。名古屋支店に配属され、PC橋の設計に携わる。当時、建設の緒についた東海環状道路のランプ橋などを手掛けている。 2003年に東京支社に異動。日本海東北道の跨道橋をポータルラーメン橋で設計した事が印象深い。高速道路を走る車から恰好良く見える跨道橋にしたいと考えたそうだ。 「桁高を薄くして張出床版は橋台翼壁部まで通し、フェイシアラインを連続させて桁が浮き上るように軽やかに見える工夫をしています」 立体骨組み解析、FEMによる応力確認、あるいはCGで見え方を確認するなど様々な技術を取り入れ、研究したことで、技術者として一歩前進したと感じられる仕事だった。 さらなる転機は2011年の東日本大震災直後に被災地に赴いたこと。津波で押し流された現地での調査活動。「想像を超えた状況でした」 そのまま東北支店に勤務し、三陸沿岸道路、復興支援道路の橋梁設計などを担当しインフラの復旧に携わる傍ら、補修設計、耐震補強設計、撤去設計など様々な業務に携わることで、技術者としての幅を広げた。 2018年にふたたび東京支社に異動。中堅として実務を処理する傍ら業務マネジメントと後進指導も努める。 「父親のようにはなれませんが、この人なら、と依頼の来る、信頼される技術者でありたいと思います」 武蔵工業大学卒、山梨県南部町出身、45歳。 (川村淳一)