吾唯知足2021年9月1日号掲載分

吾唯知足線状降水帯やゲリラ豪雨とやらで長雨、降雨が尋常でなく続き、日本の各地の河川は、どこもまさに大小問わず、日常茶飯事で災害級洪水である。この天候、気候の変化は今後も中・長期的に続くことになろう。ピークはみえないが、早期の抜本策が必要だ▼洪水、氾濫が相次ぎ、濁流には民家の家財道具とともに、大量の流木が混じり、橋梁の橋脚や桁に堆積し、損壊。民家への浸水にとどまらず、流木の片づけが復興の阻害にまでなっており被害を拡大する大きな要因となっている▼記者が驚いたのは、青森県むつ市に隣接する村の小赤川の氾濫と流木被害(前号7面、小赤川橋流失)だ。あるダムの湖面には網場をこえて大量の流木が浮かび、この後の大雨が続けば、流木処理が間に合わず、放流設備が損傷、下流域に流れ、新たな被害が拡大することになるから、深刻だ▼コロナ禍や五輪に紛れて大事なことを忘れてはいないか。とくに、橋梁など生活インフラの土木整備を見直してもよいのでないか。例えば、今の土木は新しい機械、工法、技術開発が進化のすべてのような風潮が一般的にある。しかし、かつての営林観、営林事業を見直して復活してもよいのでないか。「温故知新」を改めてかみしめたい。と、思うのは記者だけであるまい。

愛知製鋼