一年遅れの東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会がすべて終了し、ようやく閉幕した▼「未知の新型コロナウイルス禍」という未曽有のハンディを背負いながらも、人類の「希望を捨てない、あきらめない」という全世界への新しいメッセージを、日本から発信することができたのではないか▼一方で我らが棟梁である菅義偉首相は、「この大変な時期に五輪はない」という世論の逆風の中で孤軍奮闘を続けたが、ついに棟梁肝煎りのデジタル庁を置き土産に官邸を去ることになる見通しだ▼棟梁が推し進めた「一日100万回のワクチン接種」の施策は、供給元の外国頼みもあって未だつまずいている。地方自治体や企業・団体などの評価は散々ではあるが、落ち着いたころ合いで是非コロナ禍における政権のかじ取りを担った貴重な経験や心境を語ってほしい▼とりわけ、どのような覚悟のもとで非常事態宣言を実施したのかなどの回想を、コロナ禍で活発化したオンライン・リモートによる配信で発信してほしい▼今年も7月・8月に豪雨災害に見舞われたが、近年多発している水害や地震被災地の状況を、国土強靱化の観点から改めて視察してもらいたいものだ。それにしても、かつての経済活動が早く待たれる。