菅首相の後継を決める自民党総裁選が17日に告示、29日には開票が実施されるが、現時点で有力視されるのは河野、高市、岸田の各氏と目される▼自民党以外には人気者の石破茂氏は先延ばしの末に撤退を公表、こうなると国の舵取り役を決める選挙戦としては、どちらか言うと盛り上がりに欠けると言われても仕方がない▼いずれにしろ、「コロナ」によって国の土手っ腹に風穴をあけられ、「新しい社会」に無理やり放り込まれるであろう、これからの日本の舵取り役には、相当な実力が必要。石破氏は「改革の力を分散させたくない」という趣旨の説明で河野氏支持に回ったが、他人の船に乗ることが上手いやり方だろうか▼中核都市と周辺都市の連携を強化し、各拠点都市を中心とする生活・交通のインフラを総括、再構築することは喫緊の課題、「新しい社会」への対応は難題山積みだ▼難しいのはわかっているのだから、将来の総理大臣候補者は持論を封印せず、反発を恐れない勇気を示し、国民には丁寧な説明をお願いしたいもの。かつて記者には縁あって指導を仰ぎ、薫陶を得たさる政治家がいた。法相も務めた御仁の口癖は「政治の世界は、政局が変わった、と言えば、全てがご破算になる」だったが…。