ウィズコロナ禍の時代だからこそ、できることもある▼東日本大震災から10年になる。そもそも2020東京五輪、パラ大会は、その復興のためだったが、復興五輪とは名ばかりが一人歩きしたきらいがある。大事なのは震災後、迅速に啓開まで復旧、復興への礎作りで地域連携の絆を作ってくれた関係者への感謝の念を忘れてはならないことだ▼安全安心もだが、橋梁の整備も地域連携の目線が極めて大事だ。橋を創る楽しさ、やりがいを地域の目線で求めて伝えていく、使命がある。虚しさ、しくじりは、貴重な体験となる▼10月はスポーツの秋。かつて10月10日(64年東京五輪記念日)、岡山の鷲羽山で開催された「瀬戸大橋鍬入式」を取材した。地域目線が確かだったから、こそ香川(坂出番の州)、岡山で起工式が行われた。戦後復興を体験した先人と重鎮が顔を揃え、四方山話に花が咲いたものだ。勿論、彼らの目線は、復興目指した国民の目線と基を一緒にしていたことは言うまでもない▼とりもなおさず、台風や線状降水帯などによる豪雨など気候変動対策の強化対策やサイバー攻撃分野での対策として量子計算や人工知能等の先端技術の発展に取り組むことも安全安心につながるはずだ。こんな時代だからこそ、と。