美和建設 株式会社
代表取締役
加地教男さん
香川県観音寺市を拠点に土木工事で地域に貢献する美和建設は、今年創立72周年の老舗企業だ。創業者の祖父、そして父、兄の後を継ぎ、社長の任を担って、既に6年以上が過ぎる。 舗装工事を主力に、土木事業に携わっているが、橋梁補修の仕事も着実に増えている。 ただ、小規模な橋梁の床版補修などは、明確な工法が確立されていないのが現状。そのため工事の見積もりを依頼された時、場合によっては危険を感じることもあるそうだ。 「例えば床版補修の際に、路面を削るだけでなく、劣化している桁も一緒に削るような補修を要求されることもあります。これでは橋の耐久力は落ちるし、場合によっては落橋の危険さえあります」 また、ただでさえ老朽化して耐久力が落ちているのに大型重機の使用が前提の工事では、補修しながら橋を傷めているようなもの。 「当社が所有するフルコントルスディオはコンクリー表面切削アタッチメントですが、コンクリートやアスファルトを数ミリ単位の正確さで、はつることができ、小型重機で施工するので、橋への負担は少ないです」 長年、現場で代理人を務めてきた経験から、見積もり段階で、想定できる様々な危険性を指摘し、安全な工事となるよう説明してから現場に入る事を心掛けてきた。 そのため煙たがられることもあり、取れる仕事を、諦めざるを得なかった事もあったが、丁寧な仕事は評判を呼び、高い品質を評価してくれる元請けやコンサルも多く、近年は県外からも床版橋の補修依頼が来るようになっている。 「嬉しいのは我々が補修し新しくなった橋を必要としている人が使い喜んでもらえること。小さな橋であっても地域の人にとっては生活に欠かせない道路です。我々の技術が生かせるなら、全国で老朽橋対策に取り組んでいきたい」と語る。65歳、観音寺市出身。 (川村淳一)