吾唯知足2022年1月21日号掲載分

吾唯知足 コロナ禍の最中とはいえ、成人の日を迎え将来ある若者が町を闊歩する姿を見ることが出来たのは心のよりどころだ▼一方で彼ら「春秋に富む」若人が、パンデミックに大きく揺れる社会の現状に、根本的な不安と不信を抱くことは無理からぬとも思えるのだ▼手前みそになるかもしれないが、そこで小紙の「リレー・橋友録 私の橋歴書」についてだが、これは橋梁社会で実績を積み上げてきた方々がリレー形式で執筆頂くコーナーである▼登場する多くの方は、順風満帆だったわけでない。いや志望動機からして多彩、インフラ整備には携わっていたものの、橋梁とは無縁に業務をこなし、仕事人の人生半ばに「心ならず」も橋梁に関わることになった諸先輩もいる。彼らはどのような思いを抱き、またどのように乗り越えてきたか▼今は時代の転換期にあり、過去の成功体験にとらわれていては時代の変化をとらえることは難しい。そうであっても、いやそうであればこそ歴史に学ぶことは意義深い。過去・現在の事績を正確に記録することは必須、でなければ未来を見失う▼日本社会を取巻く環境は、決して甘くないが、これから橋梁社会に訪れるかもしれない新成人に、次世代への引継ぎ役として、一層のエールを送りたいと思う。

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