淡路縦貫道の当初の建設計画ルート沿いには「野島断層」があり、ルートを振って変更している。後々の橋梁や付属施設建設などを円滑に進行させたことにつながるファインプレーとなり、高い評価を得ている▼工事を前に、地質・土質専門家が赴任している。彼には東北弁で何度かインタビューをした。このところ、地震が各地で頻発している印象がある。インフラ整備予定地では、断層を活断層か否かを問わず、真摯な再検証、調査が必要だろう▼なお、世界最長スパンを誇った明石海峡大橋は、チャナッカレ1915橋に、その座を明け渡した。橋梁先進国の日本としては、ポスト明石大橋の構想に期待する関係者も多いはずだ。かつて杉田秀夫さんが記者に語った言葉が忘れられない。「技術者としてやってみたいのは、津軽海峡です」と。教訓、実績を風化させないようにしたいものだ▼宮城、福島での強地震で、新幹線と高速道が寸断し、大動脈が分断した現実は想定外などと言わずに重く受け止めなければならない。特に、東北新幹線の橋脚柱の基部破断は、阪神大震災で倒壊、破壊したピルツ橋脚を彷彿とさせる光景だ▼幸い新年度、新感覚・オリジナリティに富む若人も橋梁社会に多く入ったはずだ。エールを送りたい。