石川県金沢市のイベント会場で過日、さる橋梁のレジェンドである重鎮の一人とひとしきり橋梁談義を交わした時のことだ▼「遅々たる歩みでなかなか実現、進行・進捗しない、長大橋や地域開発・発展の中核になるとみられる地域開発橋や復興支援橋などの中小橋梁の具体化実現は果たして、大丈夫でしょうか」との記者の問いかけに「そんなに心配することはない。いずれ、時代が要請する時がくるのだから」との答えを得た▼新型コロナ禍3度目の夏、感染拡大の第7波が顕著となっている。だが、同僚記者に聞くと施主のインフラ企画立案の技術者(官吏)には、果たして、これら海峡横断橋プロジェクトはともかく、地域開発が中核となることは間違いない。コロナ禍の最中だから仕方ないのだが、中小橋梁含めて実現できるのかにしばられていることも少なくない、という▼橋梁事業における時代と社会の要請は目下のところ新設から維持管理にテーマを変えつつあるが、歴史は繰り返すものだ。そんな時には、「時代の要請があれば、実行・実現に具体化される」と信じて取り組んでもらいたい。本四架橋を始めとしていま実現、建設されている橋梁は、時代の要請で実現して来たのだからエールを送りたい。